建築も土木も構造物を造るという点で一緒です。しかし、造るものが違います。土木では、道路、河川堤防、ダム、港湾施設、漁港施設を造るのに対し、建築では、ビル、マンション、一戸建て等を建設します。社会インフラを建設するなら土木であり、建築物を造るなら建築という分類になります。
建築は、学校や大学、病院、施設ホール等の公共物もありますが、主に民間発注です。そのため、利益率がやや薄く、競争も激しいと言われています。しかしながら、経済が活性化すれば、民需が活発になるという特徴を持っています。公共事業費が減っている中、大手ゼネコンは、建築へのシフトを強めていると言われています。特に、三大都市圏では、需要が多いため、そのような傾向が強いと言われています。
建築は、工業高校や専門学校、大学等で専攻して学ぶことが可能ですが、そういう建築学科で学んだとしても、デザイナーの道へ進む人も一定割合います。建築というのは、構造計算を行うだけでなく、機能性や美を追求するという部分でデザイナーと共通部分があり、そういう方面へ進む人も出てくるのです。構造物をデザインするか他の物をデザインするかの違いに過ぎず、少し勉強しただけで他の分野のデザインが出来るというのが強みです。これは、美を意識しない土木との大きな違いです。